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2012/01/14

Book:『年下の男の子』(五十嵐貴久)

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五十嵐貴久さんの『For You』を読んで非常に面白かったので、ラブコメ路線の本書を見つけたので読んでみた。

23歳のイケメン児島くんから猛烈にアタックされる37歳の晶子。晶子は大手乳業会社勤務の課長補佐(のちに課長に昇進)、児島くんはその宣伝を請け負う中小PR会社の契約社員。晶子は最初は恋愛感情はなかったものの、次第に惹かれていくという内容。

題材としては面白く文章もサクサクとテンポがよい。しかしファンタジーに陥らずにリアル性を追求したためか、晶子さんがしきりに年齢差を気にするのが何とももどかしかった。

結婚をあきらめているわけではなく、かと言って積極的に婚活するわけでもなく、30代後半にしてまだ「待っていればいつか王子様が・・・」と夢見がち。その割に、マンションを買ってしまったのは、結婚しなくてもいいエクスキューズをあらかじめ作ってしまうためにも思える。そういう点で、一般的なアラフォー独身女性の心情を描いているのだろう。

一方、その王子様キャラの児島くんは山岳部出身で体力に自信あり、高身長でイケメン、契約社員で1年目ながら仕事面では吸収力がありフットワークが軽くアイデアも豊富。これならどこの企業でもバリバリやっていけるでしょう、という男子だ。

児島くんに強引に押し切られる形で晶子は付き合い始めるが、晶子もまんざらでもない様子。しかし年齢を始終気にしていて「いずれ児島くんはもっと若い女の子と付き合うようになる」と決めつけて、その時に別れを切り出されて傷つくよりは、いっそ幸せな気分のときに自分から別れてしまおう、とクリスマスデートで別れを切り出してしまう。その後もウジウジ・・・・。

最後の展開は極端すぎて笑えたが、この時点で続編『ウエディング・ベル』の構想があったのかもしれない。

2012/01/04

Book:『青春の門 ①~⑦』(五木寛之)

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文庫本(講談社文庫)全七巻で、合計3,973ページを読み切った。
こういう一人の主人公の幼年時代から成年時代に至る成長の過程を軸に据えた物語をビルドゥングスロマン(Bildungsroman、教養小説)と呼ぶそうだ。

本書は伊吹信介という九州の筑豊の炭鉱地区で生まれ育った少年の話であり、何度も映画化・ドラマ化されたようである。
大長編であるが、登場人物はさほど多くなく、色々な場面で同じ人に出会うという偶然が多いのは小説ならでは、ということだろう。
もし高校生の頃にこの作品を読破していればまた別の感想を持ったと思うが、伊吹信介の年代をとっくに通り越えている自分が読むと、信介の一途さと若さ故の悩み・迷いなどが初々しく思えて、少々気恥ずかしい感じがした。

織江が世間の荒波にもまれ精神的に大きく成長していくのに対し、信介は織江との恋愛をうまく育てることができずフワフワと優柔不断で、結果的にいつも織江の気持ちを弄んでしまっている。また信介は早稲田大学に入学しながら勉強は苦手という設定で、そのため以後の青年時代において知性があまり感じられないという少し残念なキャラクターである。織江のマネージャー業も中途半端に終わっている。

この小説は第七部挑戦篇が一番面白かった。第六部を読み終えてすぐに第七部を読み始めたとき、突然北海道の江差の描写から始まるので、一瞬「あれ、1冊飛ばしたかな?」と思ったほどだ。しかし第七部はサスペンス風で、北方領土をめぐる国際問題が詳しく描写されており、初めて知る事が多くためになった。

第七部はハバロフスクへ旅立つところで終わるが、その続編第八部風雲篇も、途中まで雑誌に連載されたらしい。いずれ刊行されると思うが待ち遠しい。


2011/11/20

第54回 東京国際ギターコンクール本選

Photo2011年11月20日  日経ホール

課題曲は「エキノクス(武満徹)」

出場順に

■Andrey PARFINOVICHさん (Russia)
 繊細な音色で、非常に丁寧な演奏だった。音量は小さめだったが、フレット移動時の弦をこする音が全く聞こえず美しいと思った。個人的には2番目によかったと思う。
アグアドの「華麗なロンド」が美しかった。

■小暮浩史さん
 この前の演奏者(PARFINOVICHさん)が弦の音が聞こえなかっただけに、小暮さんの演奏は結構、キュッキュ、カチカチという音が若干気になったが音量があり、音楽に勢いがあった。

■Oegmundur Thor JOHANNESSONさん(Iceland)
 足台とギターレストの両方を使う独特のフォーム。つまり左足を足台に置き、さらにギターレストを使っているものだから、ギターの側面版の部分が常時アゴにくっついているようなフォームだった。 

■Florian LAROUSSEさん (France)
   youtubeでいくつも演奏が見られるため、一番期待していた。ところが最初の曲『フェアウェル(J.ダウランド)』で数小節後に暗譜をど忘れされたようだった。会場が凍り付いた瞬間だった。再度冒頭から演奏を始め事なきを得た。音色は非常に美しい。ただこの人が得意なはずのバロックで最初の失敗をしてしまったため、なんとなく緊張感のある演奏になった気がする。

■Andrés CAMPANARIOさん(Spain)
  この人は演奏時間までの会場に到着せず、しばらく待っていたが、結局棄権扱いとなり、次の藤元さんが時間を繰り上げて演奏することになった。

■藤元高輝さん
 前の人が未到着により棄権というハプニングのあとの演奏だったが、落ち着いた様子だった。藤元さんは演奏時の姿勢が非常によく、教本のお手本のようだった。難解な課題曲からスタート。他の4人の課題曲を聴いて、結局この曲の良さがわからないままにコンクール見学が終わりそうだったのに、ここで藤元さんの演奏を聴いて、初めて曲想も美しいことがわかり、他の4名よりも明らかにレベルが上だった。続いてバッハを無難にこなし、その後のレゴンディの序奏とカプリスは、高速でかつ美しい音色を維持し続け本当に素晴らしかった。正直ここで拍手したいぐらいだった。そして、最後がヘンツェの『王宮の冬の音楽より グロスター』という曲で、これまた難解で、後半はギターを叩きながらパーカッシブな演奏が入る。藤元さんは若いのに現代曲が得意なのだろうか、この曲もまた見事に弾ききった。

 以上、結果を待たずに帰宅したのだが、ネットで速報を見た。

結果は、
  一位 藤元 高輝
  二位 Florian LAROUSSE (フランス)
  三位 小暮 浩史
  四位 Andrey PARFINOVICH (ロシア))
  五位 Oegmundur Thor JOHANNESSON (アイスランド))

予想通り、藤元さんが優勝! おめでとうございます!
小暮さんも3位。健闘されました!

会場にギタリストの益田正洋さんが来られていて、いい人オーラが全開だった。さっそく会場内のショップで益田さんのCDを買って帰った。

2011/09/04

Book:『都会と犬ども』(マリオ・バルガス=リョサ)

Photo昨年『楽園への道』を読み終えたとき、著者のバルガス=リョサがその年のノーベル文学賞を受賞したため、それ以来気になる作家となっていた。それで1963年の出生作である本書が新装丁で再刊された時に買っておいたのだが、一夏かかって読み終えた。

翻訳が優秀である。訳文が非常にこなれていて文体が美しい。しかも時間や場所、語り手が自由に行き来するこの物語を、読者を混乱させることなくグイグイとストーリーに引き込んでいく。

物語の舞台は、ペルーの士官学校。3年生から5年生の話だ。この3~5年生というのはどうやら日本で言う高校1~3年に該当するようだ。多感な年齢の少年達の物語である。
第1部、第2部、エピローグの3章だてで、第1部は窮屈な士官学校の中での規律を守れない生徒達の行動や日常化するいじめが延々と描写される。ストーリーが動くのは第2部以降だ。普段からいじめられていた気の弱い生徒が軍事訓練で頭に弾丸を受けて死亡する。スキャンダルを恐れる学校側は、生徒が自分の銃を誤って暴発させた事故として片付けようとする。

ところがアラナの友人とされるアルベルトが学校側に告発し、コトが大きくなっていく。穏便にすませようとする大尉たちと、進退をかけて真実を追求するガンボア中尉の対立という構図もまた面白い。
大尉がガンボア中尉に
「君は自分の将来を台無しにしたいのか?」
と問うと、ガンボア中尉は
「軍人は自分の任務を果たすことで、軍人としての将来を閉ざすようなことはありえない」
という名言を放つ。

そしてエピローグ。ジャガーという暴力信奉主義の生徒が心のうちをさらけ出すところは感動的だった。

実在する士官学校(レオンシオ・プラド)をモデルにしたことで、発刊時は将校が本を焼く騒ぎになったそうだ。
本の帯によると、ノーベル賞受賞理由が「権力の講座王の見取り図を描き、個人の抵抗、反乱、敗北の姿を鋭く表現した」とのことである。反骨精神豊かな作家である。

2011/05/20

Book:『本は絶対、1人で読むな!』(中島孝志)

Photo 以前に読んだ中島氏の「すごい読書!」が非常に面白かっただけに、期待しすぎたかもしれない。

この『本は絶対、1人で読むな!』は読書会のすすめ、のような本である。同じ本を複数の人で読んで討論すれば、1人で読んでいたときに見落とした部分や自分では軽く読み飛ばした部分が、他の人にとってはかけがえのない一文だったりすることを発見する。そういうところから仕事や人生に活かせる情報が得られる、という内容で、そんなに珍しいことが書いてあるわけでもなかった。

各セクションの終わりに、まとめのような一言がついている。たとえば「朝読書の効果は絶大。できれば読書会も朝にやろう」とか「本のチョイスは一つの個性。本を通して人を知るのも読書会の楽しみ」というような類のものだ。思うに、ここだけを重点的に目を通すだけで、本書のすべてがわかってしまう。

ただし、非常に面白かった部分は、「マスメディアを信じてはいけない」というセクションだった。

著者の中島氏は読書家で年間2000冊から3000冊は読むそうである。速読術には頼っていないとのことだから、今後は効率的に読書をこなしていく方法をぜひ伝授していただきたいものである。

2011/05/07

Book:『For You』(五十嵐貴久)

For_you これは非常に面白かった。

著者はホラー小説でデビューをしたそうであるが、こんな女性目線からの恋愛小説も書けてしまうとは、何と才能豊かな作家なんだろう、と思う。

働く女性の心理をリアルに表現しており、いまだに女性作家が書いたとしか思えない。このリアルさは、柴田よしきさんの『ワーキングガール・ウォーズ』とか篠田節子さんの『女たちのジハード』等に共通していると思う。いずれも好きな作品である。

この『For You』もまた、昭和の終わり頃に大学生だった世代にはたまらないでしょう。
この世代の読者なら、多くの人が自分自身の経験に重ね合わせながら、当時の世相や若者文化を映像のようにくっきりと思い浮かべることができるだろう。それほど圧倒的な文章力だった。

裏表紙に書かれているあらすじ(=Amazonや出版社による作品紹介)だけでは、「亡くなった伯母の日記に書かれていた恋愛? ふーん、よくある純愛モノ?」ぐらいの印象かと思うが、これは実際に読んでみないと、その面白さはとうてい説明できないだろう。

ストーリー展開としては、終盤はある意味松本清張ミステリー風でもある。

この作品名でググって見ても、やはり感想を書こうとすると内容に踏み込んでネタバレになってしまうためか、絶賛しながらも肝心の中身について作品紹介文以上の事を書いているブログ等は殆ど見つからなかった。

映画化しても面白いんじゃないかと思った。

2011/05/04

Book:『定年と読書』(鷲田小彌太)

B008 定年にはまだまだかなりあるのだが読書論についての本は好きなので、書店の新刊コーナーで見つけたので買ってみた。

著書の鷲田氏は、札幌大学の教授である。自分は札幌大学という名前を知らなかったのだが調べてみると偏差値が40ぐらいの大学であった。そこの先生が「偏差値の高い大学を出た人のほうがいい仕事をしており、またいい顔をしている」と複数の箇所で書いてあり、表現として「?」とは思う。もしくは札幌大学に在籍している学生はこの本を読まないだろうという前提なのだろうか。ただし著者本人は1966年に大阪大学文学部を卒業されているので偏差値は高そうである。

定年後の読書方法についてゆったり書かれているかと思いきや、ところどころ超過激だ。例えば、抑圧された少数派の立場から物事を考え文章にするノーベル賞作家の大江氏が、アンチ大江的な意見を封じるよう出版社に圧力をかけた、とか、堺屋氏や大前氏の本には気配のよさが見られない(気配という意味がちょっと理解できなかったが、つまり長くつきあえない、ということだろうか)と断言してる箇所などが出てきてびっくりした。

やはり読書法について書かれた本は何十冊も存在するが、いずれも読書をして知性を得る、という結論になり大筋的にはどれも似たり寄ったりになってしまうためか、こうしてちょっと過激な意見を述べて差別化を図っているのかもしれない、と思った。

しかし奥様も読書家になったと書かれているが、挙げられた本が「世にも美しいダイエット」(宮本美智子)だった!

2011/04/24

Book:『アフリカの日々/やし酒飲み』(池澤夏樹=個人編集世界文学全集)

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■『アフリカの日々』(イサク・ディネセン)

映画『愛と哀しみの果て』の原作である。本を読み終えて気づいたのだが、映画はメリル・ストリープ演じるブリクセン男爵夫人カレンと、ロバート・レッドフォード演じるデニスとの不倫がメインに仕立てられており、映画では、原作で含みを持たせている程度のエピソードを引き延ばして題材にしていることがわかった。

この原作では、カレンのアフリカでの日常が美しく日記のように感傷的に語られている。そう、日記のように興味のある出来事や人々については存分に書き尽くされ、本人が触れたくない部分は巧妙に隠されているのだ。
解説にも書かれているが、カレンの夫のことはほとんど出てこない。第一次世界大戦に志願兵として派遣されたため、カレンは農園に一人残った、というくだりが数行でさらっと書いてあるぐらいだ。

一方、農園での使用人たちについては非常に詳細に書かれている。特に最初のほうに出てくるカマンテという少年が幼い頃に農園に来てから素朴な好青年に成長するまで綴られており興味深い。またカレンが農園経営に行き詰まりアフリカを去ることに決めたとき、指輪をほしがったプーラン・シングのエピソードもよかった。

さて映画では不倫関係にあったデニスについては、原作では恋愛感情を表現している箇所は無かった。しかし妙にリラックスした二人の会話のやりとりを読んでお互いに惹かれ合っているのだろうなと想像できる。

まだ白人が少ない頃のケニアでの外国人としての生活がよくわかる本だった。

■『やし酒飲み』(エイモス・チュツオーラ)

普通の感覚ではとても想像できない次元のことが、妙に易しく素朴に書かれたシュールで不思議な物語。

冒頭から「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。」とあり、さらに毎日、朝から午後2時までの間に150樽のやし酒を飲み干し、さらに夜の間に75樽を飲む、とある。もうこれだけで「ん?? 人間?」だろう。
この主人公「わたし」が、死んだやし酒作り職人を探しに旅に出る、というもの。途中、変身したり、頭骸骨の紳士に出会ったり、巨大な生き物に飲み込まれて腹から出てきたり、とにかく想像力に挑戦!と言えるほど奇想天外。

著者はナイジェリア人で、この小説は1952年に発表されている。おそらく英語も独特の言い回しだと思うが、土屋哲による翻訳が、この作家の筆致力に匹敵するほどすばらしい。アフリカの翻訳ものだと、アフリカ人に東北訛りや茨城訛りをしゃべらせて済ませることがよくあるが、本書の翻訳ではそういう小細工は一切なし。原文のアフリカ訛り(?)の英語を、標準日本語でそれらしく表現されている。しかも非常に読みやすい。土屋哲さんは2007年に84歳で亡くなられたが、アフリカ文学をいくつも翻訳されているようだ。ぜひ土屋さんの翻訳を探して読みたいものだ。

2011/03/28

Book:『書店繁盛記』(田口久美子)

Photo 著者はジュンク堂池袋本店の副店長。ジュンク堂は最も好きな書店である。ジャンルに偏りなく品揃えが豊富なのに探しやすく、物心がついた頃から「目的の本がジュンク堂になければ入手できなくても仕方がない」と思っていたほどだ。

これを読むと書店に勤める人の苦労がよくわかる。書店は大型化する一方、アマゾンやTSUTAYAなど他業種との競合、電子書籍の参入など、書店業界は激動の時代だ。

店頭在庫がないときに注文することになる「客注」など興味深かった。たいていの書店で取り寄せを頼むと「2週間ぐらい余裕を見て下さい」と言われることが多い。それだったらその足で他の大型書店を回るほうがいいかと思い「あ、取り寄せだったら結構です」と答えてしまう。2週間も待つことになると、よほどの本でなければ読みたい気分が萎えてしまう。しかし取り寄せを頼んで「2週間ほど」と言われていても、実際は3日ほどで入荷することも結構あったので、日数の誤差も大きいのが気になっていた。この本を読んで、やはりそのあたりは書店員さんも気にしているところのようだ。

そう考えるとアマゾンは偉大である。巨大な品揃えから翌日配送も可能だし、書店を悩ます「万引き」もない。おそらく届けられる商品には、立ち読みによる「手垢」や「表紙の読み込まれた感」も無いのだろう。それに何より在庫の有無や配送予定日が、購入前の検討段階からわかるのはストレスがたまらなくてよい。在庫切れだったり出荷まで4週間でも、あらかじめわかっているから覚悟ができる。リアル書店なら、書棚を探し、店員に聞き、調べてもらい、取り寄せが必要なことが判明するまで膨大な時間がかかる。しかも書店のデータ上で在庫があることになっていて書店員さんがあちこちの書棚を探したりして実際になかったケースだと、本当に気の毒になってしまう。

あと文庫本については、大手書店は必ず出版社別に「新潮文庫」「集英社文庫」「文春文庫」などと分かれているが、これは客にとってメリットがあるのだろうか、といつも疑問に思う。多くの作家が複数の文庫にそれぞれ違った作品を収めているが、書店に行く人は目当ての作家の作品は一度に見たいと思っているはず。むしろ文庫名を指定して探せる人はよほどマニアの人だろうと思う。よく行くTSUTAYAは、文庫は出版社問わず著者名順になっており、文庫を探すときはTSUTAYAに行くことにしている。

2011/03/21

Book:『ラスト・ソング』(ニコラス・スパークス)

Photo ニコラス・スパークスは、全米でベストセラーとなった『きみに読む物語』の著者である。作品は読んでいないが『きみに読む物語』の小説、映画ともに評判を読むと、ニコラス・スパークスは、基本的に世間受けしそうな「泣かせる話」を書く人なのだろう。

作品は次々と映画化されているようだが、1本も観ていない。

『ラスト・ソング』は、両親が離婚しニューヨークで母親と弟と3人で暮らす少女ロニーが主役。ある理由から、ひと夏を弟とともに海辺の小さな町のバンガローで暮らす音楽家の父親のもとで過ごすことになる。ロニーは、父親のことを「家族を捨てた」と思っているため、当初は反抗的な態度を取るが、徐々に・・・・。

これは映画化されることを前提として書かれた物語だろうか。海辺や風景が映像的に語られる。しかし、内容はタイトルが示す通り途中から予想通りの展開となり、後半は読者を「泣かそう泣かそう」とさせる意図も若干くどく感じられ、感情移入できなかった。

物語は「赦し」がテーマになっており、ロニーを筆頭に登場人物たちは心の中に秘め事を持っている。しかし「言わなければいけないのに言い出せない」という状況を長くひっぱりすぎて、「なんで言い出せないのだろう?」と読んでいて徐々に冷めてしまった。

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